Japanese Natural Dye
日本の草木染め
Natural Dyeing in Japan日本の草木染
日本に高度な染色技術が伝来したのは飛鳥〜奈良時代にかけてとされています。それ以前にも青や赤を染める技術はあったとされていますが、この期間で日本の草木染めの技術は飛躍的に向上します。当時の技術の高さはすべて飛鳥時代の冠位十二階に見られる多彩な色分けや、聖武天皇の遺愛品を納める正倉院から窺うことができます。その後宮廷文化から国風文化に移り変わり、平安時代の十二単に代表される豊かな配色など、日本独自の色彩感覚が育まれていきました。絹糸と相性のよい草木染めの鮮やかな色合いは貴族層に好まれ、繊細な美意識と「襲色目(かさねのいろめ)」のような独自の配色美学が花開きました。
| 官位等級 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 官位名称 | 大徳 | 小徳 | 大仁 | 小仁 | 大礼 | 小礼 | 大信 | 小信 | 大義 | 小義 | 大智 | 小智 |
| 色 彩 | ||||||||||||
| 色彩名称 | 濃紫 | 薄紫 | 濃青 | 薄青 | 濃赤 | 薄赤 | 濃黄 | 薄黄 | 濃白 | 薄白 | 濃黒 | 薄黒 |
※ 冠位十二階の色は諸説あります。上記は代表的な比定によるサンプル配色です。
江戸時代に入ると綿の栽培が広まり、綿と相性のよい藍染が大衆の染色として広く普及します。奢侈禁止令が発令されていたなかで、茶色や鼠色のなかにも多様なニュアンスが生まれ、「四十八茶百鼠(しじゅうはっちゃひゃくねずみ)」と呼ばれる粋な色彩文化が生まれました。こうした歴史を通じて誕生した日本の伝統色は少なくとも400色以上にのぼり、草木染は日本の豊かな色彩文化の礎となっています。
Layered Colors of the Four Seasons四季の襲色目
松重まつがさね表/裏
海松色みるいろ表/裏
縹はなだ表/裏
木賊とくさ表/裏
梅うめ表/裏
桜さくら表/裏
躑躅つつじ表/裏
柳やなぎ表/裏
菖蒲しょうぶ表/裏
杜若かきつばた表/裏
撫子なでしこ表/裏
卯花うのはな表/裏
女郎花おみなえし表/裏
紅葉もみじ表/裏
栗梅くりうめ表/裏
白菊しらぎく表/裏
雪の下ゆきのした表/裏
枯色かれいろ表/裏
椿つばき表/裏
松の雪まつのゆき表/裏
※ 襲色目の配色には諸説あります。表・裏の2色を重ねて季節ごとの色を表しました。
Traditional Japanese Colors日本の伝統色
平安中期に編纂された「延喜式(えんぎしき)」の「縫殿寮(ぬいどのりょう)」や「内蔵寮(くらりょう)」の項目には、当時の染色に用いられた染料・材料の量や道具が詳細に記されています。具体的な染色手順そのものの記載はないものの、当時の草木染に使われた植物や技法を類推できる極めて貴重な資料となっています。
しかし明治時代後期に入ると、海外から安価な合成染料が輸入され始めたことにより、天然染料による染色は急速に姿を消していくこととなります。
Traditional Dyes of Japan日本の伝統的な染料
赤:日本茜Rubia argyi
青:蓼藍Persicaria tinctoria
黄:黄檗・苅安・楊梅Phellodendron / Miscanthus / Myrica
灰:五倍子・橡Gallnut / Quercus

