How to Natural Dyeing
草木染の方法
Contents目次
草や樹皮、根、実。身のまわりの植物はどれも色を持っています。その色をゆっくりと引き出して布に移す時間は、思いのほか静かで豊かなものです。特別な設備はいりません。台所の鍋とバケツがあれば、今日からはじめられます。
What is Natural Dyeing草木染とは
草や樹皮、根など、自然界にある植物や土、石、虫などで染めることを草木染と呼びます。どんな植物でも色をもっており、うまく引き出すことでその植物のもつ色合いを糸や布に映し出すことができます。
ここでは草木染のなかでも、暮らしのなかで手に入りやすいものを選び、おうちでも簡単にできる方法をご紹介します。
Choosing the Right Material染める素材の選び方
どんな素材でも草木染で染まるわけではありません。草木染で染まる素材は、基本的には天然繊維のみです。
染められる素材
- 植物性繊維:綿、麻、レーヨン、キュプラ、紙糸 など
- 動物性繊維:絹、羊毛 など
染められない素材
- 合成化学繊維:ポリエステル、ナイロン、アクリル など
合成化学繊維は色素と結びつく仕組みを持たないため、染液につけても色がのりません。洗濯表示のタグで混率を確かめてから選んでください。綿とポリエステルの混紡の場合は、綿の割合ぶんだけ淡く染まります。
また天然繊維のなかでも動物性繊維は、温度の管理やアルカリの具合によって、傷みや縮みが発生することがあります。はじめて草木染にチャレンジされる方は、扱いやすい綿や麻の素材がおすすめです。
Materials & Tools材料と道具
素材・染料
- 布地(例:綿100%のスカーフ ○g)
- 植物染料(例:乾燥させたタマネギの皮 布と同量)
- 媒染剤(例:焼きミョウバン 布の重量の10%)
- 濃色処理剤(豆乳 など)
使用する道具
- ステンレス鍋
- ボウル、ザル、計量器、漉し布
- 木製トングや竹箸など
- バケツ × 4

鍋の材質について
ステンレス(おすすめ):金属が溶け出さず、植物本来の色を素直に抽出できます。
アルミ鍋:ほんのり明るく、鮮やかな発色になりやすいです。
鉄鍋・銅鍋:金属分が反応して変色するため、おすすめしません。
安全と環境への配慮
しっかり換気:煮出し時の強い蒸気や媒染剤のにおいがこもるため、換気扇と窓を開けて作業しましょう。
やけど防止:熱い布の取り出しにはトングや長箸を使い、厚手の手袋(ミトン)を用意すると安心です。
汚れ対策:染液が飛ぶと落ちにくいため、汚れてもよい服かエプロンを着用して作業しましょう。
Recommended Dye Materials草木染めにおすすめの材料
はじめの一枚には、台所で手に入るものがおすすめです。捨ててしまう皮や葉が、そのまま染料になります。同じ材料でも媒染剤や煮出す時間で色は変わるので、あくまで目安として見てください。

玉ねぎ
黄色・茶色・ベージュ
いつも捨ててしまう皮を使って染められます。やさしい風合いに仕上がるのが特徴です。

みかん
淡いオレンジ・黄色・黄緑
乾燥果皮を煮煎すると、柔らかな黄茶色の染液を抽出できます。

お茶
ベージュ・ブラウン
緑茶やほうじ茶から優しいベージュやブラウンの色味を抽出できます。媒染法を用いるとお茶の種類によって多様な色味を楽しめます。

ブルーベリー
水色・紫
ブルーベリーは、夏~秋に果実が収穫できる果実です。紫色に染まります。媒染を変えることで更に色味の幅が広がります。

よもぎ
若草色
季節によって色合いの変化が大きく、春の新緑で染めることできれいな萌黄色になります。5月頃になると若竹色になります。

アボカド
サーモンピンク
種や皮にはタンニンが豊富に含まれており、これらのタンニンは酸化されることで赤く発色する性質を持っています。
Process Overview全体のプロセス
1 植物から色を取り出す
2 布や糸の下処理精練 / 先媒染
3 染色(煮染め)
4 洗いと仕上げ陰干し
EXTRA 後媒染色を変える
Step by Step詳しい手順
植物から色を取り出す
植物の色を引き出すには、沸かしてぐつぐつと煮出す方法が一般的です。植物に応じてアルカリ性にしたり、低温でじっくり抽出したりと方法はさまざまですが、いちばん基本的なのはじっくり煮ることです。
- 植物にひたひたの水を加え、火をつけてぐつぐつ煮る(30分〜1時間)。
- 1時間煮たら、バケツに濾す。
植物はどのくらい必要?
染める色の濃さにもよりますが、生の染料(生の葉や枝、樹皮)の場合は染める素材と同じくらいの重さ、乾燥したものだと50%くらいあれば、だいたいいくらかは染めることができます。


下準備(精練)
生地には汚れがついていることがあります。染まりにくさや斑の原因になるため、事前によく洗いましょう。
- 少量の中性洗剤をぬるま湯に溶かし、染める素材を洗ったあと、よく水洗いする。
- 綿や麻などの植物性繊維は染まりにくい性質をもつため、濃く染めたい場合は染める前に豆乳でたんぱく処理をする。
ワンポイント解説
綿や麻は植物性繊維でできており、負に帯電しているため色素と電気的に反発します。豆乳のタンパク質やカチオン性界面活性剤などのプラスイオンをくっつけることで、色素との反発をやわらげ、くっつきやすくします。
絹や羊毛はもともとタンパク質でできているため、この処理は必要ありません。


媒染(発色と色の定着)
草木染は、そのまま染液につけただけでは色が定着しません。染める素材に金属イオンを染みこませることで、色素と素材を結びつける色止めの効果と、化学反応による発色の効果が得られます。
- 焼きミョウバンをあつあつのお湯(80度程度)に入れ、溶けるまでよく混ぜる。
- STEP2で洗った素材を入れ、よく動かしながら20分かき混ぜる。
- よく洗う。


媒染の種類
媒染につかう金属には主に以下があります。染める前の媒染ではアルミニウム媒染を行い、後媒染で他の媒染を行うことで、染めたあとに色を変えることができます。
アルミニウム媒染
鮮やかな色合いになりやすい(明礬など)
鉄媒染
渋い色合いになりやすい(酢酸鉄など)
銅媒染
やや茶味を帯びる場合が多い(酢酸銅など)
錫媒染
主にコチニール染のときに用いる。淡い色合いになる場合が多い(酢酸錫など)
チタン媒染
タンニンと反応してオレンジ色に発色する
石灰媒染
茶色を深くしたいときなどに用いる
染色(煮染め)
いよいよ染色です。染液の量が足りない場合はお湯で薄めて使います。お湯の量は、素材が十分に浸って泳がせられるだけあれば十分です(だいたい素材の重さの40倍。100gなら4L)。
- STEP1で取った染液に、STEP3で準備した素材をぬれたまま入れる。
- しっかりと広げながらかき混ぜ、十分に色がついたら引き揚げる。
温度と時間
染色は温度が高いほうがよく染まります。染液が冷めてしまった場合やお湯で薄めた場合は、一度沸騰直前まで加熱してから火を止め、その液を使うのがよいでしょう。
お肉に味が染みこむように、じっくり煮込むほうがしっかりと濃く染まります。逆に、淡くきれいな色合いはささっと染めてしまったほうがよいこともあります。いろいろ試してみてください。


水洗い・乾燥
染色後はしっかりと水洗いをしましょう。水洗いが不十分だと、斑や色落ちの原因になります。
- 染めた素材をたっぷりの水で洗う。
- 固く絞って日陰干しをする。


EXTRA|後媒染(色を変える)
染めたあとに媒染をすることを「後媒染(あとばいせん)」といいます。鉄や銅の媒染剤に染めた生地をつけると、渋い色合いに変わります。
- 酢酸鉄を大さじ1程度、お湯に入れる。
- 染めた生地を入れ、広げるようにしてよくかき混ぜる。
- 色が十分に変化したら引き上げ、水洗いをする。
- 固く絞って、日陰干しをする。


After Care長く楽しむためのお手入れ
洗濯方法
中性洗剤(おしゃれ着用洗剤)を使い、やさしく手洗いしてください。もみ洗いや漂白剤は色落ちの原因になります。
保管方法
紫外線は退色の大きな原因です。長く仕舞うときは、直射日光の当たらない暗いところで保管してください。
経年変化(褪色)の魅力
草木染の色は、使ううちに少しずつ移ろいます。褪せていくことも含めて、時とともに変わる色を楽しんでいただけたらと思います。
Columns on Natural Dyeing草木染めについてのコラム
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Maito Design Works のおうちで楽しむ草木染め







